人間便器株式会社

本作は、外資系家電メーカーという企業舞台に「排泄物で支配される職場」を設定した異色のスカトロAVである。機械化や効率を追求する企業文化の裏で、社員が「人間便器ロボット」として機能するという狂気的なルールが支配する空間。その閉鎖的オフィスの静寂と蛍光灯の冷光の中で、羞恥と命令が交錯する。派遣OLの視点を通して描かれるのは、常識が反転する異常な社内秩序。整った職場演出と対照的な排泄描写が、背徳のリアリズムを際立たせている。

登場する女性陣は、清楚系の新入OLと支配的な先輩というコントラストが中心。新人の葵は戸惑いながらも命令に従う受動的存在で、顔を紅潮させる羞恥表情が印象的。一方、先輩格の女性や上司と思しき人物は、表情と動作に圧を利かせ、男を値踏みするような冷静な視線で支配する。口コミでは「素人感」や「可愛さ」を評価する声も多く、従順フェチ・支配欲双方の快楽構造が交錯している。フォーマルなスーツ姿と排泄行為の不協和は、このシリーズならではの倒錯的魅力といえる。

プレイは「聖水奉仕」と「黄金責め」を軸に展開。営業マンへの“お茶”シーンや舐め犬試験では、羞恥と服従を同時に煽る演出構成が際立つ。レビューでも「黄金を完食させる」「蹴りもあるが奉仕が主」との指摘があり、極端ながらも作法的で儀式的な印象を与える。吐息と飲み下す音、身体の震えをカメラが克明に捉え、嗅覚や音フェチも刺激。女性側の静かな優越と、男側の尊厳が崩壊する過程がドラマとしても緻密に組まれており、見る者に強い心理的緊張を残す。

レーベルV&Rプランニングの中でも、この「人間便器株式会社」シリーズは企業という現実的設定を通してスカトロを社会風刺的に描く特異な存在だ。いわゆる極端な排泄描写ながらも、支配構造の寓意と羞恥演出が融合する完成度があり、レビューでも「超初心者に適した作品」「シリーズ継続希望」と高評価を得ている。フェチ性をエンタメの文脈で包み込み、背徳のなかに整合的な物語性を付与した秀作といえる。